【平成22年・山岳10大ニュース】※順序不同

◆携帯トイレが日本一普及している利尻山
4月 利尻山では携帯トイレを使うマナーになっていることを登山者の9割が知っている。環境省稚内自然保護官事務所の岡田自然保護官補佐が登山者を対象にしたアンケート結果を同山登山の研修会で報告し、携帯トイレが日本一普及していると評価。

駒ケ岳登山が一部解禁、11年8カ月ぶり
6月 入山規制されていた駒ケ岳(1131m)の登山が一部解除され登山者約70人が標高約900mの「馬の背」地点まで登山を楽しんだ。一般登山者の入山は1998年10月以来、11年8カ月ぶり。

現在もトムラウシ山で行方不明
7月 大雪山系黒岳(1984m)から同山系トムラウシ山(2141m)を縦走予定だった東京都の男性(61)が、予定日を過ぎても下山せず。男性は現在も行方不明。

ヌカビラ岳8人救助
8月 ヌカビラ岳(1808m)の尾根上で登山ツアーの客8人が疲労で身動きがとれなくなった。道警はヘリコプターを派遣し8人全員を救助。道警やツアーを企画した札幌のツアー会社によると一行は札幌や東京から参加した50〜60代の男女8人とガイド4人の計12人。7/30から2泊3日で北戸蔦別岳(1912m)から幌尻岳(2052m)を縦走後、日高町側に下山中、ヌカビラ岳の尾根付近で客8人が疲労と川の増水で身動きができなくなった。

幌尻岳で川に流され死亡
8月 日高山系幌尻岳(2052m)で首都圏から登山に訪れていた女性4人のうち1人が川に流されて死亡、3人が救助。

羊蹄山でハチに刺され死亡
8月 倶知安町比羅夫の羊蹄山登山道2合目付近で新潟県魚沼市の女性(46)がハチに刺されたと一緒に登山していた夫(56)が携帯電話で119番通報。ドクターヘリで同町内の病院に運ばれたが死亡。正子さんの右足首に刺されたような跡がありハチに刺されてショック死。

大雪山系で男性が死亡
9月 大雪山系中岳(2113m)と間宮岳(2185m)の中間付近の登山道脇で、うつぶせに倒れている男性を登山者が発見通報。男性は道警ヘリで旭川市内の病院に搬送されたが、死亡が確認。旭川東署によると、男性は40歳前後で目立った外傷はなく登山時の服装をしていた

日本三百名山 6年かけ踏破 函館の坂口さん
9月 函館在住の坂口一弘さん(66)が富士山(3776m)を締めくくりに日本三百名山への登頂を達成。大腸がんの手術を乗り越え6年間で踏破。

山ガール急増中、商戦も盛況、専門売り場続
10月 「山ガール」と呼ばれる20〜30歳代の女性でこの秋、大雪山系や樽前山、藻岩山などの山々がにぎわった。道山岳ガイド協会(札幌)の登山講習会でも、最近は20〜30歳代の女性が3割近くを占める。「山ガール」の火付け役はファッション界。「山ガール」が道内でも増える中、アウトドア衣料店が専門売り場を設けて若い女性客の取り込みを強化。登山シーズンは終盤だが鮮やかな配色のダウンジャケットなどをそろえ売り場は盛況が続いている。

◆エゾシカによる高山植物の食害目立つ
増ええすぎたエゾシカが農作物だけでなく森林や高山植物などを荒らし「生物多様性」をも脅かす存在に。若い木を食べたり成木の樹皮をはがすなど森林への被害は道東をはじめ日高地方にも広がっている。森林が荒らされれば、そこに生息する昆虫、小動物などへの影響も懸念。知床半島、夕張岳、アポイ岳などでは、シカによる高山植物の食害も目立ち一部では絶滅の可能性すら心配されている。エゾシカが近年64万頭と爆発的に増えたのは草地開発や森林伐採で生息に適した土地が増え温暖化で冬の自然死が減ったことなどが背景。

【その他、気になったニュース】
羊蹄山避難小屋建て替えの基本計画
2月 0環境省は、老朽化して倒壊の恐れがある羊蹄山(1898m)の避難小屋を建て替える方針を決めた。新年度に現地調査を行い、基本計画を策定する。一方、現在の小屋を所有・管理する道は、建て替えまでの間の応急措置として6月ごろに補強工事を行う。
登山中の中学生無事保護
7月 美瑛町白金温泉に宿泊研修に来ていた士別中2年の男子生徒(14)が十勝岳(2077m)登山中に行方不明に。道警ヘリも出動したが約1時間40分後、捜索中の教員らが十勝岳避難小屋付近で生徒を発見、保護した。生徒にけがはなかった。2年生73人と教員8人が望岳台を出発。山頂を経て望岳台に戻り男子生徒がいないことに教員らが気付いた。避難小屋は望岳台と山頂とのほぼ中間に位置。同校によると、生徒は下山中に正規のルートから外れたことに気づき山頂に戻って下山し直した。
79歳、羊蹄登山300回 洞爺湖町の門馬さん
9月 洞爺湖町の無職門馬利美さん(79)が羊蹄山(1898m)への登山300回目を達成。
幌尻岳で登山者、心肺停止状態
8月 幌尻岳(2052m)の中腹にある幌尻山荘近くの沢で登山者が倒れているのを別の登山者が見つけ約2時間半後に同山荘の管理人を通じ、門別署振内駐在所に届け出た。ヘリコプターで倒れていた登山者を収容し平取町内の病院に搬送。同署によると、登山者は心肺停止状態。道警によると、登山者は女性とみられ、沢の中央付近にあおむけで倒れていた。
エベレスト再び断念、栗城さん
10月 世界7大陸最高峰制覇に向け残るエベレスト(8848m)の無酸素登頂に挑戦していた登山家栗城史多さん(28)が今回の登頂を断念。ネパール側から標高約7750メートルまで登ったものの天候悪化が予想されることや体調不良から登頂を断念、1日から下山していた。
約5千カ所の三角点の点名などを冊子に
登別市内の山岳ガイド寺口さん(64)が測量のため国が山頂などに設置した道内約5千カ所の三角点の点名などを調べ冊子にまとめた。一般的な地形図には載っていない峰などの名前が分かり、登山愛好者から喜ばれている。A4判で490ページ。100部作製。
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