【令和1年・山岳10ニュース】順序不同

山中間作製!1594山制覇の故児玉氏の山行記録本

道内の名前の付いた1594山をすべて制覇し、2017年に死去した故児玉さん(享年62)の山行記録を山仲間がまとめ、5月の三周忌に合わせて出版。登山道がある山は230ほど。沢や道無き笹藪を登るのが殆ど。立ち入りできない私有地や自衛隊基地、離島の山も人脈を駆使して登頂。日本山名辞典や国土地理院地図に掲載された山のほか、通称名で「山」と呼ばれるものも含めた。足かけ45年で全山制覇。出版した山行記「ついにやった!前人未到の1594山・北海道『Ko玉の全山登頂記』」は、児玉さんの残したノートを基に山中間が作製。分単位の細かなコース時間やルート図に加え、道迷いやヒグマとの遭遇、仲間の滑落、遭難騒ぎなど生々しいやりとりがぎっしり詰まっている。B5判・227頁・1620円。

道南の山219座の全山登頂

2月、函館山の会の会長を務める林さん(62)が、名前のある道南の山219座の全山登頂。6月には函館のカリスマ登山家にして超人気ブロガー坂口さん(75)も全山登頂。道南219座が公に認知され、後に続こうとする仲間も増えている。219座は、道南山域(黒松内低地帯より南)の国土地理院発刊の地形図に山名の記載されている山のこと。

旭岳で外人らの遭難事故相次ぐ

旭岳で遭難事故相次ぐ。行方不明登山者や、バックカントリースキーの外国人の事故など。2月中旬=大分県からの単独登山者が遭難。1月下旬=オーストラリア人親子が一時行方不明。2月上旬=ブルガリア人男性が遭難救助・・・など

美瑛富士などトイレブース完成

8月、美瑛富士の避難小屋隣に固定式携帯トイレブースが完成。環境省や「山のトイレを考える会」などが4年前から毎年、携帯トイレ用の便座があるテント式ブースを設置し、排便後に自分で持ち帰る携帯トイレの普及をPRしてきた。使用期間は6月~9月。また、トムラウシ山に携帯トイレブース2基目が設置。さらに、紅葉シーズンに排せつ物放置が深刻化している赤岳の山頂に、仮設の携帯トイレブースが登場。大雪山国立公園連絡協議会が期間限定で初めて設置。高原温泉沼めぐり登山コースの緑沼付近にも設置。

カムエクでクマ遭遇事故相次ぐ

カムイエクウチカウシ山で登山者がクマと遭遇して負傷する事故相次ぐ。一時、登山者がクマに襲われたため警察署は入山自粛。また、ヘリコプターで上空を旋回し、クマへの注意を呼び掛けた。また、9月カムエクの標高1180m付近で遺体。身長170㎝で腐敗が激しく、腕など体の一部がない。

トムラ山岳事故から10年

トムラウシ山で8人が死亡した山岳事故から10年。遺族は、ツアー会社は利益だけを追求せず、安全対策の徹底を忘れないで欲しいと訴える。

NPOかむい 層雲峡ニセカウ山線当面見送り

NPO法人かむいが、復活を目指していた「層雲峡ニセイカウシュッペ山線」の開通が当面見送り。樹木の伐採に認可が必要なエリアにハイマツが群生していたため。山線はニセカウから朝陽山へ続く全長約13㎞のルート。2015年から環境省や林野庁の許可を得て、ササ刈りを始め、2017年以降は同法人として整備活動に取り組んでいる。今夏開通を目指し、今年はクラウドファンディングで費用を募集。全国から目標額を上回る157万円が集まった。しかし、残す区間のうち、ニセイカウ山頂近くに1・2㎞にわたってハイマツが群生。このエリアは、樹木の損傷が禁じられている環境省の特別保護地区内。ササ刈り作業は終わったが、樹木の伐採には許可が必要で、さらにこのエリアの樹木は、林野庁の保護林と文化庁の特別天然記念物にも指定されていた。

ユウパリコザクラの会30周年 

5月 夕張岳の保護活動に取り組む市民団体「ユウパリコザクラの会」が、1989年4月に発足して今年で30周年を迎え、夕張岳の魅力を写真入りで紹介した本「夕張岳 大いなる自然」を刊行。同会は夕張岳のスキー場開発計画に反対して発足し、活動の成果で計画は中止に。その後、同会の働きかけで夕張岳がほぼ丸ごと国の天然記念物に指定されるなど、道内の自然保護活動をリード。現在は、ユウパリコザクラやユウバリソウなど10種類以上ある高山植物の固有種を盗掘から守るパトロールや、登山道の補修、ヒュッテの管理などを関係団体から委託されて行っている。本は、A5判200頁、送料込1620円。

◆山守隊ら大雪山の登山道修復

登山愛好者でつくる(一社)大雪山・山守隊が、官民連携による大雪山系の登山道修復や登山道沿いの環境保全活動。裾合平は木道などの損傷が著しく、水で浸食された箇所もある。登山者が道の脇を歩くため植生も荒らされている。山守隊は本年度、ボランティア参加者を前年度の延べ250人から3割増やした。

◆「標高年」の緑岳に多くの登山者

今年は幕末の探検家・松浦武四郎にちなんで松浦岳とも呼ばれる大雪山緑岳の標高年。山の高さと西暦が一致する年。山頂の標識は「2019m」、国土地理院の表記は「2020m」とあり、来年も標高年として楽しめる山。

【その他、気になったニュース】

チーム他力本願 白水岳登山道の復活目指し奮闘中

道南山々を中心に活動し、ヤマレコ等では知名度上昇中の「チーム他力本願」のメンバーが、道南のアルプス山塊の一つ、白水岳に登りたい一心で登山道の復活を目指し整備(奮闘)中。1996年、熊石地区の熊石山歩会(2011年解散)が、白水岳~冷水岳、遊楽部岳までをつなぐ約20㎞におよぶ縦走路を完成。会員の高齢化で解散した後も個人的に整備を続けたが体力的に厳しく断念。荒廃した登山道を一緒に整備する若手人材が地元に見当たらなかった。冷水岳、白水岳はネマガリダケが登山道に繁茂し登山者の行く手を阻んでいる。

幌尻岳・新冠コースの通行止め続

日高山脈の最高峰・幌尻岳の登山道のうち、新冠町側の新冠コースの通行止めが1年近く続く。現在も落石の恐れがあり、通行再開の目処は立っていない。これに伴い、もう一つの主な登山道、平取コースでは山荘への宿泊申込件数が既に例年の登山者数の約2倍に達し、事故やマナーの悪さも増大。

十勝岳で吹雪道迷い

9月 十勝岳のグラウンド火口付近で、千葉県の登山者が死亡。吹雪により道迷い。

愛別岳で遭難死

10月 愛別岳の登山道付近で、美瑛町の登山者が死亡。当時、積雪は約1mで、体の大半が雪に埋まっていた。

伝説の登山ガイド「山谷」完結

「山谷(やまたに)」で呼ばれる伝説の登山ガイドである3冊シリーズの最後を飾る第3世代本が今秋完結。1977年に刊行が始まった「北海道の山と谷」、第2世代本(98~99年)を経て、沢や雪稜といった中級、上級者向けのルートを目指す人に愛され、絶版となった第1、第2世代本は今も古書市場で人気を集めている。

旭岳ビジターセンターオープン

大雪山旭岳の麓に環境省が建設した新たな「旭岳ビジターセンター」がオープン。登山者へ情報を発信し、エコツーリズムの拠点となる。

冒険家・三浦氏アコンカグアへの登頂断念

1月 南米大陸最高峰アコンカグアへの登頂を目指していた冒険家・三浦雄一郎さん(86)はは同行した医師の判断で登頂を断念。同行した北海道大野記念病院(札幌)の大城和恵医師が判断。

利尻山でスノーモービルのルールづくりへ

3月 バックカントリースキーなどで冬季入山者が増えている利尻山で、愛好者団体と関係機関がスノーモービル利用に関するルールづくりに乗りだす。

アポイ岳ジオパーク10万人

5月 アポイ岳ジオパークビジターセンターの入館者が10万人を突破。

支笏洞爺国立公園指定から70周年

支笏洞爺国立公園が1949年の指定から70周年。羊蹄山では、登山経験や知識不足が原因で救助要請が頻発するなど新たな課題が浮上。

登山家・カメニ火山で滑落死亡

5月 ロシア極東カムチャツカ半島にある標高約4600mのカメニ火山で、登山家の澤田さん(50)北大出身=が滑落し死亡。

大雪山の登山道整備で入山料導入の検討開始

環境省上川自然保護官事務所は、大雪山国立公園の登山道整備や環境保全のため、登山道利用者から任意の協力金として集める「入山料」導入の検討を開始。登山愛好者らの意識調査で9割近くが入山料について「原則登山者全員が支払うべき」と回答しており、関係自治体や民間団体と協議を進める。

大千軒岳中腹の殉教ミサ60年

1639年(寛永16年)、大千軒岳中腹などで松前藩に処刑された計106人のキリシタンを悼み、道南在住のカトリック信者らが山中で開いてきた「殉教ミサ」が7月で60年の節目を迎えた。

もいわ山ロープウェイでゴンドラ鉄塔に衝突

藻岩山の「札幌もいわ山ロープウェイ」でゴンドラ(定員66人)が非常停止して鉄塔に衝突し、乗客2人が軽傷。

弟子屈の硫黄山登山再開

2000年4月に3人が死傷した落石事故以来、立ち入り禁止になっている弟子屈町の活火山、硫黄山(アトサヌプリ、508m)の観光登山がガイド同行を条件に19年ぶりに再開。同山を管理する林野庁など関係機関がガイド付きで特定ルートなら安全が確保できるとして許可。

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